耳に関する交通事故の後遺症について

交通事故は体の様々な部分に後遺症を起こします。目に見えにくい部分にも障害は残っており、見た目は回復したように見えても障害のせいで日常生活に支障をきたしている、というケースも少なくありません。そんな目に見えにくい部分の障害の一つが耳です。

今回は、耳に関する交通事故の後遺症について、どんなものがあるか、後遺障害の認定など、気になる点をご紹介します。

交通事故の後遺症が出る時期は特定できない!備えておくことが重要!

交通事故による耳の後遺症は何故起こるか

交通事故による耳の後遺症は、様々なことが原因で起こります。まず考えられるのが、外部からの衝撃です。強い衝撃が加わることで耳の外側に怪我をするケースは多く見られます。また、外傷は耳漏の原因にもなります。耳漏とは、耳から液体が流れ出てくる状態で、外傷により引き起こされるものです。

酷い事故の場合は、耳の欠損もあり得ます。内部への衝撃は、耳の聞こえが悪くなる、耳鳴りなどの後遺症が起こる可能性があります。目に見えない障害なので、正しい検査が必要となります。交通事故による後遺症は、後遺障害と呼ばれます。

後遺症とは治療が終了した後も何かしらの症状が出ている状態のことを指し、後遺障害とはその中でも交通事故が原因によるものです。正式に認定されるには必要な書類を用意し、保険会社に申請する必要があります。

後遺障害として認められるとその症状に合わせた等級が与えられ、交通事故により損害が起こった部分を補填するサポートが受けられます。ただし、後遺障害と認められるには医師の診断と「後遺障害診断書」と呼ばれる書類が必要で、一定期間の通院が求められます。

交通事故後は時間が経ってから症状が出ることも珍しくありません。特に耳は、後から違和感に気付き調べてみたら後遺障害だった、というケースもあるので、何も問題がなくとも一通りの検査は受けましょう。

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欠損障害

交通事故による欠損障害は、特に激しい事故で耳を損傷した場合に起こります。欠損障害とは文字通り部位の欠損で、耳の場合、耳介と呼ばれる外に張り出して飛び出ている部分を二分の一以上失った場合、後遺障害として認定されます。

後遺障害には等級があり、耳の欠損障害の場合等級は12級が与えられると予測されます。等級が上がれば上がるほどサポートの幅も広がりますが、耳の欠損は等級の中でも低めです。後遺障害の等級は、労働能力の欠損具合により認定されます。

耳の欠損は見た目の問題になり、労働力の欠損と認められにくいのです。ただし、モデルや俳優など、見た目を使った仕事をしている方の場合、労働力の欠損と認められ等級が上になる可能性があります。

機能障害

機能障害とは、耳の「聞こえ」に対して用いられるものです。事故後に耳が聞こえにくくなった、特定の音が聞こえにくくなったなど、聞こえに関する問題は見た目では分からないものです。等級申請はどの程度の問題があり、事故によりどの程度聴力が下がったかをポイントに審査されます。

機能障害の場合、耳の検査による診断書も等級認定の判断基準になるので、診察はしっかり受けましょう。機能障害と判定するのは、純音による聴力レベルと、語音による聴力検査結果の二つです。純音による聴力レベルは、日本聴覚医学会制定の聴覚検査法により検査が行われます。

検査は日を変えて三回、検査と検査の間には一週間ほど間を開けます。このうち、二回目と三回目の検査結果の測定値を平均化して検査結果として算出します。語音による聴力検査結果は、日本オージオロジー学会制定の検査法によるものです。

検査内容は、特定の発音を患者に聞かせ、聞き取った音を正確に紙に書きだせるかどうか、というものです。測定結果で問題が大きければ大きいほど、後遺障害認定の等級も上がります。

その他の障害

その他の障害は、耳鳴りや耳漏といったものが考えられます。耳鳴りは医学的検査により判断されます。事故後、耳鳴りに悩まされる方は少なくありません。見た目には分からないもので、被害者本人も気のせいだとスルーしてしまうことがあります。

また、昼間は症状が出なくて夜になると酷くなる、といった限定的な場合もあります。耳鳴りは精神に大きな負担を書けるもので、耳鳴りがうるさくて眠れない、他人の話していることが聞き取りにくいなど、日常生活に支障をきたす恐れがあるものです。

たかが耳鳴りと甘く見ず、事故後はしっかりと検査を受けましょう。検査ではっきりと常時耳鳴りがあると判断されたものは、後遺障害の等級は12級、明確な検査結果が出なくても医学的に耳鳴りの存在が確認できる場合は14級と認定されることが多いです。

耳漏は外傷により起こるもので、耳から液体が流れてくるのが主な症状です。交通事故は外部からの衝撃が大きく、耳にもダメージが加わり耳漏が起こる可能性があります。耳漏はただ液体が流れ出るだけでなく、細菌感染による外耳炎や中耳炎、悪性腫瘍などの疾患や組織破壊にも繋がるものです。

耳垂れで後遺障害に認定される場合、手術で十分な治療を行ってもまだ症状が残っているというケースに限られます。いつどこで耳漏が起こるか分からないので、日常生活に支障をきたすと考えられます。常に耳漏が起こっている場合は、後遺障害の等級は12級、常ではないが症状として耳漏が起こっているものは14級と判断されることが多いです。

後遺障害の認定方法

後遺障害として認定されるには、まず医師が書く「後遺障害認定診断書」が必要です。この診断書を書くにあたり、患者にどのような症状が出ているのか、症状の度合いなどを正確に記さなければなりません。治療の際に問診が行われますが、このときに医師へ正しく現在の状況を伝える必要があります。

特に耳の機能障害は目に見えず分かりづらいので、症状がどのように出ているか、事前にメモをして用意しておくといいでしょう。後遺障害認定診断書のほかに、必要な書類をまとめたら保険会社に提出します。認定は書類審査によるもので、その人に当てはまる等級が認定されます。

ただし、これら一連の流れは専門的な知識や手続きが必要になる部分もあり、保険会社によっては低い等級を提示してくる可能性があります。このような場合に役立つのが弁護士です。弁護士は、裁判所が定める認定に従い保険会社と交渉を行います。

また、必要書類の作成、用意もしてくれるので、手続きが不安という方は弁護士に依頼しましょう。

参考情報『後遺障害|弁護士法人アディーレ法律事務所』http://www.ko2jiko.com/pickup-koui/